独立系安全保障シンクタンク | 情勢分析・研究論文 日本語EN
日本戦略防衛研究ラボ Japan Strategic Defense Research Lab
RESEARCH & ANALYSIS
EST. 2026
米国
軍事ニュース

THAAD、7年で最大350億ドル調達 ― 迎撃弾の生産を4倍へ

画像: DVIDS(米国防総省・パブリックドメイン)

米政府は2026年6月24日、ロッキード・マーティンに対し、THAAD(終末高高度防衛)迎撃弾の生産能力を4倍に引き上げる、最大350億ドル・7年間の調達契約を付与した。

何が起きたか

契約は、詳細を後で確定させる「未確定契約措置(UCA)」の形をとり、早期に生産拡大へ着手できるようにしている。THAADは、弾道ミサイルを大気圏再突入の終末段階で迎撃する高高度防衛システムで、米本土外の同盟国防衛にも配備されている。

背景と意味

中東やインド太平洋でミサイル防衛の需要が高まり、実戦での迎撃弾の消耗も進んだことが、生産基盤の拡大を促した。ミサイル防衛は「迎撃弾の在庫があるか」が抑止の実質を左右する。飛来する弾を撃ち落とす能力は、撃つ弾が尽きれば意味を失うためだ。日本も統合防空ミサイル防衛(IAMD)を進めるなかで、迎撃弾の確保と継戦能力が同様の課題となっている。

背景を読み解く

イランやイエメン方面での実戦使用により、THAADやペトリオットの迎撃弾が大量に消費され、在庫の逼迫が表面化した。生産能力の4倍化は、この「撃ち尽くし」問題への対応である。詳細を後で確定させる未確定契約措置(UCA)で早期着手する点に、緊急性がにじむ。

日本への意味

日本も統合防空ミサイル防衛(IAMD)を推進しており、迎撃弾の備蓄と継戦能力という同じ課題を抱える。ミサイル防衛は「撃つ弾が尽きれば終わり」であり、平時からの生産・備蓄が抑止の実質を左右する。

この記事のポイント

  • 実戦使用で迎撃弾の在庫が逼迫
  • 生産基盤の拡大こそ抑止の実質
  • 日本の弾薬備蓄・継戦能力にも教訓

← ニュース一覧へ戻る