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RESEARCH & ANALYSIS
EST. 2026
解説
基礎解説

【解説】マルチドメイン作戦(MDO)とは ― 陸海空+宇宙・サイバー・電磁波

画像: DVIDS(米国防総省・パブリックドメイン)

現代の戦いを理解するうえで欠かせないのが「マルチドメイン作戦(MDO)」という考え方です。少し専門的ですが、要点はシンプルです。解説します。

マルチドメイン作戦とは

マルチドメイン作戦(Multi-Domain Operations)とは、陸・海・空という従来の領域(ドメイン)に、宇宙・サイバー・電磁波という新しい領域を加え、それらを一体として統合して戦うという考え方です。「ドメイン=戦いの場」と考えると分かりやすいでしょう。

6つの領域

現代の作戦が扱う領域は、(1)陸、(2)海、(3)空、(4)宇宙(衛星・測位・通信)、(5)サイバー(ネットワーク)、(6)電磁波(レーダー・通信妨害)の6つに広がりました。GPSが妨害されれば陸の部隊も動けず、サイバー攻撃で通信が切れれば海空も連携できません。領域はもはや切り離せないのです。

MDOの核心は「領域を足し算する」ことではなく、領域の壁を越えて弱点を突き、優位を作り出すことにあります。

米陸軍ドクトリンと自衛隊

この考え方は、米陸軍の基盤ドクトリン ADP 3-0『Operations』などに体系化されています(本ラボの研究論文でも翻訳・解題を進めています)。日本でも、陸海空を束ねる統合作戦司令部の新設など、領域横断の統合運用を進める動きが本格化しています。

なぜ重要か

相手(例:中国のA2/AD)は、宇宙やサイバーを含む複数領域でこちらの優位を崩そうとします。だからこそ、こちらも複数領域を束ねて対抗しなければ、抑止も防衛も成り立ちません。MDOは、現代戦の「前提」となった発想です。

まとめ

  • MDO=陸海空+宇宙・サイバー・電磁波の6領域を統合して戦う考え方。
  • 領域は相互に依存し、切り離せない
  • 米陸軍ドクトリン(ADP 3-0)や自衛隊の統合運用の基盤。