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EST. 2026
解説
基礎解説

【解説】A2/AD(接近阻止・領域拒否)とは ― 中国の対米戦略を読む鍵

画像: DVIDS(米国防総省・パブリックドメイン)

中国の軍事戦略を語るとき、必ず出てくるのが「A2/AD」という言葉です。少し難しく聞こえますが、考え方はシンプルです。この記事でかみ砕いて解説します。

A2/ADとは

A2/ADは、英語の Anti-Access / Area Denial の略で、日本語では「接近阻止/領域拒否」と訳されます。ひとことで言えば、敵の軍隊を「近づけない・自由に動かせない」ようにする戦略です。

「接近阻止」と「領域拒否」の違い

二つはよく似ていますが、対象とする距離が異なります。接近阻止(A2)は、遠くから敵の大部隊(空母など)が戦域へ入ってくること自体を妨げること。領域拒否(AD)は、いったん入ってきた敵が、その海域・空域で自由に行動することを妨げることです。遠くで止め、近くで動かせなくする、という二段構えです。

A2/ADは「敵を倒す」戦略ではなく、「敵に来させない・使わせない」ことでコストを吊り上げる戦略です。

中国のA2/AD

中国は、長射程の対艦弾道ミサイル、多数の潜水艦、対空ミサイル網、そして宇宙・サイバー・電磁波の能力を組み合わせ、有事に米軍が第一列島線内へ接近・展開することを困難にしようとしているとされます。米空母や在日米軍基地を射程に収めるミサイルは、その象徴です。

米国と日本の対抗

これに対し米国は、戦力を一か所に集めず分散させ、相手の攻撃を吸収しつつ反撃する「拒否防衛」で対抗しようとしています。日本のスタンド・オフ・ミサイルや南西諸島の防衛強化も、中国のA2/ADに対して「こちらも相手の自由を拒否する」ための備えという側面があります。

まとめ

  • A2/AD=敵を「近づけない(A2)・動かせない(AD)」戦略。
  • 中国はミサイル・潜水艦・宇宙サイバーで米軍の接近を制約。
  • 米・日は分散と拒否防衛で対抗する。